●百年の預言と望郷のバラード
ルーマニアの革命を舞台にした小説「百年の預言」(高樹のぶ子著)を紹介。
<百年の預言のあらすじ>
東欧に革命の嵐が吹き荒れる前夜、1986年6月のウィーンで外交官の真賀木奏とバイオリニスト走馬充子は出会い、お互いに惹かれあう。
革命前のルーマニアから亡命してきた若き音楽家から走馬充子は、謎の楽譜を購入する。この楽譜には、 「百年後の愛しい羊たちへ」と題されており、ルーマニアの未来を作る謎が秘められているという。
<百年の預言の感想など>
ルーマニア革命を舞台にした小説で、楽譜の謎と革命、そして、恋愛が絡まっていく歴史恋愛ロマンス。
冊数も2冊と長いため、恋愛小説が好きでない私は、ちょっと躊躇はしたのですが、面白く読めました。(性交シーンはちょっと斜め読みでしたが・・・・)
この小説を読むと、革命前のルーマニアの状況がよくわかります。
秘密警察がどのように人々の生活に暗い影を落としていたのか。亡命する状況なども。
また、途中、作者がルーマニアを訪れた旅行記が挿入されています。
この短いルーマニア旅行記が面白くって、「そう、そう、ルーマニア人ってそうなのよ!ルーマニアってそう!」なんて頷いてしまったり。
そして、主人公たちが謎の楽譜の作曲家ポルンベスクの故郷を訪れるのですが、旅情をかきたてます。
いつか私も訪れてみたいなと。
さて、この小説で有名になったのが、ポルンベスクの「バラーダ」。バイオリストの天満敦子が「望郷のバラード」として弾いています。
実は、この小説は、この天満敦子と「望郷のバラード」をモデルとして書かれたそう。
実際に、1970年代末に、ウイーン大使館に勤務していた外交官の方が、ルーマニアから亡命してきたバイオリストから、「この曲を日本で紹介してくれ」と、ポルンベスクの「バラーダ」託さたそう。
そして、この外交官が、彼女なら、この曲の心を理解してくれると、思い、託されたのが、天満敦子さん。
この「望郷のバラード」は、とても悲しい感じの曲。ルーマニア人の感情をとても揺さぶるようで、この曲を聴くと、泣けてくるそうです。
ぜひ、この小説「百年の預言」は、「望郷のバラード」を聞きながら読んでみてください。
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